入院が決まってまず気になるのが「病院にWi-Fiはあるのか」。この記事では、公的調査と当サイトの全国218病院の独自調査(2026年8月実施)をもとに、病院の患者用Wi-Fiの実態を数字で示し、入院前の調べ方無い場合の備えまでまとめます。

結論から言うと、患者が使えるWi-Fiがある病院は約半数。ただし病室のベッドまで使えるのは2割弱で、「あるが、ベッドでは使えない」が最も多いパターンです。だからこそ、入院前の確認が欠かせません。

この記事の要点

  • 患者・来訪者向けWi-Fiを提供する病院は53.1%。ただし病院全体で使えるのは18.8%(電波環境協議会2024年度調査)
  • 当サイトの大学病院82院調査では無料あり45%・有料12%・一部エリアのみ16%・公式記載なし25%
  • 日赤・市立病院クラスでは約半数が公式サイトに記載なし=調べても分からない病院が多い
  • 無料Wi-Fiにも時間制限・エリア限定・接続制限が多く、「ある=ベッドで快適」ではない
  • 逆に持ち込みWi-Fiを禁止する病院も実在する。どちらに転んでも困らないよう事前確認を

データで見る「病院Wi-Fi」の現状

病院の電波利用について定期調査を行っている電波環境協議会(総務省・厚労省等が参画)の2024年度調査(2025年6月公表・回答2,464病院)によると、患者・来訪者が利用できるWi-Fi(無線LAN)の提供状況は次のとおりです。

提供状況割合
提供している(病院全体)18.8%
提供している(特定エリアのみ)34.3%
今後提供する予定10.5%
提供の予定はない36.5%

合計53.1%の病院で何らかの患者用Wi-Fiがありますが、病院全体で使えるのは18.8%。また同調査では、66.9%の病院に「携帯電話がつながりにくいエリアがある」ことも分かっており、Wi-Fiがない場所でスマホの電波にも頼れない、という状況が珍しくありません(出典: 電波環境協議会 2024年度調査報告)。

当サイトの独自調査(全国218病院・2026年8月)

当サイトでは2026年8月に、大学病院本院82院・赤十字病院90院・政令市/県庁所在地の市立病院46院の計218病院について、各病院公式サイトの入院案内を個別に確認しました。

公式サイトでの案内大学病院(82)赤十字病院(90)市立病院(46)
無料Wi-Fiあり45%30%34%
有料で利用可12%3%2%
一部エリア・一部病室のみ16%9%6%
記載なし25%56%47%
確認不可(サイト障害等)1%1%8%

注目すべきは「記載なし」の多さです。大学病院以外では約半数の病院が、公式サイトに患者用Wi-Fiの情報を載せていません。電波環境協議会の調査でも「患者・来訪者に特に案内をしていない」病院が27.6%あり、「調べても分からない」ことこそが病院Wi-Fi問題の実態と言えます。記載がない場合は、後述の方法で病院に直接確認するしかありません。

大学病院82院の患者用Wi-Fi一覧(2026年8月時点)

参考として、大学病院本院82院の公式サイト確認結果を掲載します。いずれも2026年8月1日時点の公式サイトの記載に基づくもので、提供条件(エリア・時間・料金)は病院ごとに大きく異なります。最新状況は必ず各病院の公式案内でご確認ください。

病院名公式サイトでの案内
三重大学医学部附属病院(三重県)無料Wi-Fiあり
京都大学医学部附属病院(京都府)無料Wi-Fiあり
旭川医科大学病院(北海道)無料Wi-Fiあり
和歌山県立医科大学附属病院(和歌山県)無料Wi-Fiあり
大分大学医学部附属病院(大分県)患者用Wi-Fiあり(料金は要確認)
大阪医科薬科大学病院(大阪府)無料Wi-Fiあり
関西医科大学附属病院(大阪府)無料Wi-Fiあり
近畿大学病院(大阪府)無料Wi-Fiあり
奈良県立医科大学附属病院(奈良県)無料Wi-Fiあり
東北大学病院(宮城県)無料Wi-Fiあり
山形大学医学部附属病院(山形県)無料Wi-Fiあり
山梨大学医学部附属病院(山梨県)無料Wi-Fiあり
川崎医科大学附属病院(岡山県)無料Wi-Fiあり
島根大学医学部附属病院(島根県)無料Wi-Fiあり
徳島大学病院(徳島県)無料Wi-Fiあり
愛媛大学医学部附属病院(愛媛県)無料Wi-Fiあり
愛知医科大学病院(愛知県)無料Wi-Fiあり
藤田医科大学病院(愛知県)無料Wi-Fiあり
名古屋市立大学病院(愛知県)無料Wi-Fiあり
名古屋大学医学部附属病院(愛知県)無料Wi-Fiあり
東京慈恵会医科大学附属病院(東京都)無料Wi-Fiあり
東邦大学医療センター大森病院(東京都)無料Wi-Fiあり
杏林大学医学部付属病院(東京都)無料Wi-Fiあり
順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京都)無料Wi-Fiあり
獨協医科大学病院(栃木県)無料Wi-Fiあり
熊本大学病院(熊本県)無料Wi-Fiあり
金沢医科大学病院(石川県)無料Wi-Fiあり
北里大学病院(神奈川県)無料Wi-Fiあり
聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県)無料Wi-Fiあり
東海大学医学部付属病院(神奈川県)無料Wi-Fiあり
横浜市立大学附属病院(神奈川県)無料Wi-Fiあり
福井大学医学部附属病院(福井県)患者用Wi-Fiあり(申込制・料金は要確認)
九州大学病院(福岡県)無料Wi-Fiあり
久留米大学病院(福岡県)無料Wi-Fiあり
秋田大学医学部附属病院(秋田県)無料Wi-Fiあり
信州大学医学部附属病院(長野県)無料Wi-Fiあり
香川大学医学部附属病院(香川県)無料Wi-Fiあり
北海道大学病院(北海道)有料で利用可
千葉大学医学部附属病院(千葉県)有料で利用可
東北医科薬科大学病院(宮城県)有料で利用可
山口大学医学部附属病院(山口県)有料で利用可
岡山大学病院(岡山県)有料で利用可
岩手医科大学附属病院(岩手県)有料で利用可
日本大学医学部附属板橋病院(東京都)有料で利用可
東京大学医学部附属病院(東京都)有料で利用可
東京科学大学病院(東京都)有料で利用可
弘前大学医学部附属病院(青森県)有料で利用可
佐賀大学医学部附属病院(佐賀県)一部エリア・一部病室のみ
神戸大学医学部附属病院(兵庫県)一部エリア・一部病室のみ
兵庫医科大学病院(兵庫県)一部エリア・一部病室のみ
大阪大学医学部附属病院(大阪府)一部エリア・一部病室のみ
広島大学病院(広島県)一部エリア・一部病室のみ
昭和医科大学病院(東京都)一部エリア・一部病室のみ
東京医科大学病院(東京都)一部エリア・一部病室のみ
滋賀医科大学医学部附属病院(滋賀県)一部エリア・一部病室のみ
福岡大学病院(福岡県)一部エリア・一部病室のみ
群馬大学医学部附属病院(群馬県)一部エリア・一部病室のみ
長崎大学病院(長崎県)一部エリア・一部病室のみ
浜松医科大学医学部附属病院(静岡県)一部エリア・一部病室のみ
鳥取大学医学部附属病院(鳥取県)一部エリア・一部病室のみ
京都府立医科大学附属病院(京都府)公式サイトに記載なし
札幌医科大学附属病院(北海道)公式サイトに記載なし
国際医療福祉大学成田病院(千葉県)公式サイトに記載なし
防衛医科大学校病院(埼玉県)公式サイトに記載なし
埼玉医科大学病院(埼玉県)公式サイトに記載なし
大阪公立大学医学部附属病院(大阪府)公式サイトに記載なし
宮崎大学医学部附属病院(宮崎県)公式サイトに記載なし
富山大学附属病院(富山県)公式サイトに記載なし
岐阜大学医学部附属病院(岐阜県)公式サイトに記載なし
新潟大学医歯学総合病院(新潟県)公式サイトに記載なし
東京女子医科大学病院(東京都)公式サイトに記載なし
日本医科大学付属病院(東京都)公式サイトに記載なし
慶應義塾大学病院(東京都)公式サイトに記載なし
帝京大学医学部附属病院(東京都)公式サイトに記載なし
琉球大学病院(沖縄県)公式サイトに記載なし
金沢大学附属病院(石川県)公式サイトに記載なし
産業医科大学病院(福岡県)公式サイトに記載なし
福島県立医科大学附属病院(福島県)公式サイトに記載なし
筑波大学附属病院(茨城県)公式サイトに記載なし
高知大学医学部附属病院(高知県)公式サイトに記載なし
鹿児島大学病院(鹿児島県)公式サイトに記載なし
自治医科大学附属病院(栃木県)公式サイト確認不可

※「公式サイトに記載なし」は提供が無いという意味ではなく、Web上で確認できなかったことを示します(院内掲示や入院説明のみで案内している病院もあります)。また大分大・福井大は提供の記載はあるものの料金の明記が確認できなかったため「料金は要確認」としています(冒頭の集計では提供あり側に含む)。

「無料Wi-Fiあり」でも安心できない4つの条件

調査を通じて分かったのは、無料Wi-Fiがある病院でもそのまま快適に使えるとは限らないことです。よくある条件を4つ挙げます。

1. 時間制限がある

「6時〜21時のみ」(北見赤十字・愛媛大など)、「8時〜21時」(岐阜赤十字)、「6時〜21時」(福岡市民)のように、消灯時間帯は接続できない病院が少なくありません。夜間に動画を見たい人には効いてくる制約です。

2. エリアがベッドまで届かない

「病棟デイルームのみ」(成田赤十字)、「個室と談話室のみで大部屋ベッドサイドは対象外」(長野赤十字)、「特別室・有料個室のみ」(神戸大・兵庫医科大・前橋赤十字など)のパターンが非常に多く見られました。「病棟にWi-Fiあり」と「ベッドで使える」は別物です。

3. 接続時間・通信量の制限

「1回60分まで」(さいたま市立)、「1回3時間まで」(高知医療センター)、「1回4時間・再接続可」(松江市立)のような接続制限や、動画などの大量通信を制限・自粛要請する病院(大阪大・福岡赤十字など)もあります。

4. サポートなし・セキュリティは自己責任

Wi-Fiを提供する病院の案内には「接続設定のサポートは行わない」と明記するものが多く見られます。また、無線区間が暗号化されていないことを明示する病院もあり(京都大のKYOTO Wi-Fi等)、フリーWi-Fi一般と同様に盗聴等のリスクは利用者持ちです。ネットバンキング等の重要な操作にはVPNを併用するか、公共Wi-Fiを介さない自分専用の回線(スマホ回線・レンタルWiFi)で行う方法もあります。

こうした条件を踏まえると、「病院のWi-Fiだけで入院生活の通信をまかなう」計画は意外と穴が多いことが分かります。動画やビデオ通話をたっぷり使う予定なら、入院向けレンタルWiFiのような自前回線の併用を検討する価値があります。

入院前に病院のWi-Fiを調べる4ステップ

ステップ1: 「病院名 Wi-Fi」で検索する

まず「〇〇病院 Wi-Fi」「〇〇病院 無線LAN」で検索し、公式サイト(病院ドメイン)のページを探します。Wi-Fi専用の案内ページを持つ病院なら、SSID・利用時間・エリアまで分かることがあります。第三者のまとめ記事ではなく、必ず公式の記載を確認してください。

ステップ2: 「入院のご案内」ページ・PDFを確認する

専用ページがなくても、公式サイトの「入院のご案内」「入院中の生活」「病室のご案内」やPDFパンフレットの設備・アメニティ欄に記載があることが多いです。「Wi-Fi」だけでなく「無線LAN」「インターネット」の語でページ内検索するのがコツです。

ステップ3: 入院説明・入退院支援窓口で聞く

当サイト調査では約4割の病院が公式サイトに記載がありませんでしたが、院内掲示や入院時の案内冊子でのみ告知している病院(福島赤十字・獨協医科大など)が実在します。入院説明会や入退院支援センターで「患者が使えるWi-Fiはありますか。病室でも使えますか」と確認しましょう。

ステップ4: 電話で確認する(聞き方の例文)

急な入院などで時間がないときは代表電話で十分です。聞くべきことは3つだけです。

「入院予定の者ですが、①患者が使えるWi-Fiはありますか? ②あれば病室のベッドでも使えますか? ③ない場合、ポケットWiFi(モバイルルーター)の持ち込みは可能ですか?

③が重要な理由は次のとおりです。

逆に「持ち込みWi-Fi禁止」の病院もある

見落とされがちですが、当サイトの調査ではモバイルWi-Fiルーターやテザリングの使用・持ち込みを明示的に禁止している病院が218院中10院以上ありました(筑波大=Wi-Fi接続自体を禁止、信州大・名古屋第二赤十字・さいたま市立=ルーター・テザリング禁止、長崎大・福井大=持ち込み不可など)。また「電気製品の持ち込みは原則禁止・要許可」という運用の病院も多数あります。

つまり「病院にWi-Fiがないからレンタルを持って行けばいい」も、確認なしでは成立しません。院内Wi-Fiの有無と、持ち込みの可否はセットで確認するのが正解です。病院の電波ルールの全体像は入院先でポケットWiFiは禁止?病院のルールと確認方法で詳しく解説しています。

Wi-Fiがない・使えない場合の備え

確認の結果「Wi-Fiなし」「デイルームのみ」だった場合、選択肢は主に3つです。

  1. スマホのギガ・テザリングでしのぐ: 数日の短期入院で動画を見ないなら現実的。ただしテザリング禁止の病院もある点に注意
  2. レンタルWiFiを持ち込む(持ち込み可の場合): 1日単位・縛りなしで借りられ、時間制限もエリア制限もない自分専用回線になります。期間が読めない入院では自動延長のあるサービスが安心です
  3. 病院の有料サービスを使う: 床頭台のテレビとセットの有料Wi-Fi(日大板橋550円/日・千葉大660円/日等)や、病院公式のポケットWiFiレンタル(広島市民・東京科学大等)を用意する病院もあります。料金と条件を比べて選びましょう

費用の比べ方は入院WiFiの費用相場、機種・回線の選び方は入院用WiFiの選び方ドコモ回線の入院WiFiをご覧ください。

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※持ち込み可否は必ず入院先へ事前確認してください。公式サイトへ移動します。料金は変動するため最新情報をご確認ください。

病室Wi-Fiを広げる動きも進んでいる

病院のWi-Fi整備は、コロナ禍の面会制限を機に社会運動としても進んでいます。フリーアナウンサーの笠井信輔さんらが立ち上げた「#病室WiFi協議会」は、全病室で無料Wi-Fiが使える病院の実名リストを公開し、整備の後押しを続けています(病室WiFi協議会)。2023年からは病院機能評価の項目に患者用無線LANの整備が加わるなど、制度面の追い風もあり、病院Wi-Fiは「これから増えていく」段階です。だからこそ、入院のたびに最新状況を確認する価値があります。

まとめ

  • 患者用Wi-Fiがある病院は約半数。ただし病院全体で使えるのは2割弱で、時間・エリア・接続の制限も多い
  • 大学病院以外では約半数が公式サイトに記載なし。「調べても分からない」ときは入院説明・電話で確認を
  • 確認は「①Wi-Fiの有無 ②病室で使えるか ③持ち込みの可否」の3点セットで
  • Wi-Fiが無い・足りない場合は、スマホ回線/レンタルWiFi(持ち込み可なら)/病院の有料サービスから、使い方に合うものを

当サイトの調査データは2026年8月1日時点の各病院公式サイトの記載に基づきます。提供状況は変わるため、入院前に必ず病院の最新案内でご確認ください。

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※公式サイトへ移動します。料金は変動するため最新情報をご確認ください。

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